
【実証】「選ばせるLP」はFAXDMと相性が悪い? 8セッションから見えた仮説
2026年08月26日 22:26
Web制作の現場では、「おしゃれで洗練されたUI」や「ユーザーに選んでもらうカルーセル(スライド式の選択肢)」は、コンバージョンを高めるための定番テクニックとされています。
しかし、その常識は「FAXDM」という特殊な流入経路でもそのまま通用するのでしょうか?
私たちが実施している「まかせてFAXDM」の検証シリーズ。今回は、8月24日に実施した福祉編のLP(登録ページ)において発生した、小さな、しかし非常に示唆に富むデータの記録を公開します。
1. 今回の検証の背景と前提
8月24日に実施した福祉編のFAXDMでは、ユーザーがLPに到着した後の導線として、複数の選択肢をカルーセル形式で提示するUIをテストしていました。
Webデザインの観点からは「ユーザーに合った選択肢を選んでもらう」ための自然な設計ですが、ここで大切なのは「FAXDM経由のユーザーの心理」との相性です。 FAXDMを手にする人は、じっくり比較検討して検索窓から訪れるWebユーザーとは異なり、「突然手元の紙を見て、その場で興味があればスマホでQRコードを読み込む」という行動をとります。
この違いが、実際のデータにどう表れたのかを見ていきます。
2. 観測されたデータ【GA4とClarityの分離】
今回の検証において、私たちはGA4とMicrosoft Clarityの数値を決して混同せず、それぞれの観測値を厳密に切り分けて記録しました。
Microsoft Clarityデータ
対象期間中の録画セッション:8セッション
カルーセル上のクリックが確認されたセッション:2セッション
(※n=8という小規模なサンプル数であるため、これを「クリック率25%」と一般化して精密な数値として扱うことはせず、あくまで「8セッション中2セッションでクリックを確認した」という事実として捉えます)
GA4データ
表示回数:3回
アクティブユーザー:3人
平均エンゲージメント時間:0秒
GA4とClarityの数値を混ぜ合わせることなくそれぞれの挙動を見たとき、今回のUI設計がユーザーにどう作用したのか、次の仮説が見えてきました。
3. 「選ばせるLP」とFAXDMの相性に関する仮説
今回の8セッションという限られたデータから、「カルーセルはFAXDMに向かない」と早急に断定することはできません。
しかし、少なくとも今回のテストにおいては、カルーセルを通じて次のアクションへ進む行動は限定的でした。ここから、一つの重要な仮説が生まれます。
「あなたはどの業種ですか? こちらから選んでください」という選択型のUIは、能動的に比較検討する検索流入には強くても、突発的に紙から流入するFAXDMユーザーのスピード感や心理状態には、かえって迷いや摩擦(フリクション)を生んでいるのではないか?
FAXDMに必要なのは、選ばせることではなく、目的地へまっすぐ導く「直線型の導線」である可能性が浮上してきました。
4. 仮説を放置せず、次回の検証へつなげる
ビジネスの現場では、思いつきや小さな違和感をそのままスルーしがちです。しかし、まかせてFAXDMの検証チームは違います。
今回の小規模テストで得られた違和感を放置せず、私たちは次の8月27日の介護編において、メインCTAを従来の直線型導線(/licensed)へ戻して再検証を行うことを決定しました。
仮説を立てる。実際に試してみる。数字や挙動に違和感があれば、すぐに戻して再び測る。 この泥臭い試行錯誤のサイクルこそが、私たちが実践している「検証するマーケティング」の形です。
今回の福祉編カルーセル検証の結果と、そこから得た仮説が、次の8月27日の介護編(直線導線)でどう変化するのか。その結果は、改めて別の記事として公開します。
※この記事は、8月24日福祉編の検証データを基にした単独の実験レポートです。8月27日の介護編での再検証結果については、後日公開の続編記事へと繋がっていきます。